第44回愛媛県教育会入選俳句
主催 愛媛県教育会俳句
協賛 愛媛県学校生活協同組合連合会
(募集期間)平成28年8月18日(木)~10月3日(月)
~~入選句は、「文教月報12月号」に掲載しています~~
一般の部 (県内在住の成人)投句者26名 投句数41句
近藤 良郷 先生選
特 選
○ 日めくりの止まったままに初の盆 宇和島 池田多津子
(評) 身寄りの人が亡くなられた。初めてのお盆である。ひめ
くりもその日のままである。何も手につかないまま初盆を
迎えた。さびしい。
優 秀
○ 透き通るカーテン越しの風は夏 伊 予 神野 正憲
○ 民宿の夕餉に座せば柚子香る 松山市 野尻 精一
佳 作
○ 青みかん香る玄関子らの声 宇和島 池田多津子
○ 初産の母子健康と初電話 四国中央 高橋八重子
○ 足音は二十三時の火の用心 新居浜 中原 佳子
○ 鍬振って楽しき余生島の春 今治・越智 金子 敏雄
○ 鎌を研ぐことから始め草を刈る 松山市 野尻 精一
○ 虻払い半身浴の露店風呂 松山市 佐伯いづみ
○ 放水に二重の虹の架かるダム 松山市 篠原 邦博
○ 白靴を汚し少年球を追う 松山市 門屋 浩
○ 火祭や老母の掌握り児に返る 松山市 土居 真美
○ 大夕焼け島の架け橋走り抜け 松山市 関谷 無己
吉田 晃 先生選
特 選
○ 日めくりの止まったままに初の盆 宇和島 池田多津子
(評) 身寄りの人が亡くなられた。初めてのお盆である。ひめ
くりもその日のままである。何も手につかないまま初盆を
迎えた。さびしい。
優 秀
○ 透き通るカーテン越しの風は夏 伊 予 神野 正憲
○ 民宿の夕餉に座せば柚子香る 松山市 野尻 精一
佳 作
○ 初産の母子健康と初電話 四国中央 高橋八重子
○ しまなみを駆くる自転車麦の秋 新居浜 中原 佳子
○ 鍬振って楽しき余生島の春 今治・越智 金子 敏雄
○ 差し向ふ夫なき一人のおやつ時 八幡浜 谷本 澄子
○ 彼岸花初の秩父や滝の音 松山市 村井美重子
○ さぎ草の道後の旅館湯の香る
松山市 村井美重子
○ 子を連れて茅の輪をくぐる下駄の音 松山市 青木美知子
○ リズムよく作るバターや青き風 松山市 佐藤 郁子
○ 白靴を汚し少年球を追う 松山市 門屋 浩
○ 川遊び見張り役へも水しぶき 松山市 上本みさと
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ジュニアの部 (県内の小・中学生)応募校21校 投句数383句
(校名右の数字は学年)
高山 佳子 先生選
特 選
○ 入道雲二つ並んでそびえ立つ 粟井小四 野本 翔太
(評) 二つの雲が、まるで暑さ競争をしているかのようです。猛暑
の夏でも、元気いっぱいの作者がいます。
優 秀
○ 二時間も待って始まる大花火 たちばな小四 津田憲龍
○ フリスビーまっすぐとんだなつやすみ 椿小一 出村 香帆
佳 作
○ なべの中ぎゅうぎゅうづめのおでんたち 角野小五 山中日南子
○ 見えるかな空にうかんだ丸い月 金子小四 稲田 晧介
○ ほうしぜみ学校の木でないてるよ 宮西小二 山内 理子
○ さくらんぼ姉妹それともふたごさん 中萩小六 高橋 胡羽
○ 数秒の連打花火は万華鏡 船木小五 伴野悠之介
○ 水しぶきクロール息つぎ青い空 椿小三 中山あいか
○ けんかしてまた仲直り夏の風 石井北小三 福桝 もも
○ かんらん車ゆっくり一周夏の空 さくら小六 髙田 歩実
○ 雷が悪夢を見せる黒い雲 立間小五 児玉 蒼依
○ 騎馬戦で崩れた肩に秋の風 垣生中三 高谷 岳
池田 尊之 先生選
特 選
○ どっじぼおるしゃがんでよけたはるのそら 立間小一 高田 若奈
(評) 穏やかに陽の光が差す春の校庭に広がる笑顔と歓声。とっさ
にしゃがんだ作者の息づかいが聞こえてきます。
優 秀
○ 白いはがき朱のほおずきかきとめる たちばな小四 佐伯康介
○ 十五夜にふられて今夜は本開く 垣生中二 小笠原 華
佳 作
○ つばめのすみまもりながらとうげこう 石井北小四
相澤 俊太
○ いつもよりふかくかぶった夏ぼうし
石井北小六 小倉 啓太
○ はこめがねおさかなみえたなつのうみ 北久米小一 杉野 隆翔
○ 名前聞く父と星見る夜長かな 北久米小三
山本 寛貴
○ 朝顔がきゅうりのつるでいばりがお 桑原小六
平松 由衣
○ まてまてととんぼとかけっこさんぽみち さくら小三
松下朋那未
○ 里帰り麦茶でかんぱいぼくと姉 粟井小四
後藤 大輝
○ 水とうをわすれて登校秋の雨 玉谷小三 藤﨑 幸希
○ 秋風といっしょに歩くさんぽ道 肱川小三
笹木 胡桃
○ 若草は若者がひけと祖母が言う 立間小六
梶岡さくら