第45回愛媛県教育会入選俳句
主催 愛媛県教育会俳句
協賛 愛媛県学校生活協同組合連合会
(募集期間)平成29年8月18日(金)~10月3日(火)
~~入選句は、「文教月報12月号」に掲載しています~~
一般の部 (県内在住の成人)投句者49名 投句数68句
近藤 良郷 先生選
特 選
○ 病室に響く汽笛や秋の風 松山市 宮本 由美
(評) 療養の身。病気のことなど思い巡らせていると突然に汽笛が響いて
きた。ふと吾に返り、秋風を感じた。その秋風のさびしいこと。
優 秀
○ 今日果つる命あるらむ蝉しぐれ 西条 渡部 喜生
○ 母の手を払い走る子新入生 四国中央 高橋八重子
佳 作
○ 親子してキャッチボールの刈田かな 北宇和 大川 実
○ 天守より望む瀬戸内遠霞 松山市 野尻 精一
○ 被爆地の平和宣言蝉時雨 今治・越智 金子 敏雄
○ 夏の海指差し船を数える子 松山市 峯本 さおり
○ 梅雨晴れや繰り返し読む子の手紙 松山市 井川 るみ
○ 韓国の旅の記憶や団扇風 松山市 池本 順子
○ 空梅雨や止まったままの腕時計 松山市 柴川智恵子
○ 亡き母の黒き帯留め羅の帯に 松山市 平田さつき
○ 負けて泣く児にも拍手の村相撲 四国中央高橋八重子
○ 下宿屋の暮らしに馴染み花は葉に 新居浜 永易まるみ
吉田 晃先生選
特 選
○ 節くれた祖父の手に落つラムネ水 松山市 北須賀奈緒美
(評) 見たままをさらりと表現しているが、作者の目は祖父の人生を捉えている。昔の人には懐かしいラムネ水だが、それがこの句を味わい深いものにしている。
優 秀
○ 負けて泣く児にも拍手の村相撲 四国中央高橋八重子
○ 春昼や行列長き弁当屋 新居浜 中原 佳子
佳 作
○ 長き夜の読書ここまでしおり置く 松山市 野尻 精一
○ 星祭妻の快復祈りけり 今治・越智 金子 敏雄
○ 今日果つる命あるらむ蝉しぐれ 西条 渡部 喜生
○ 梅雨晴れや繰り返し読む子の手紙 松山市 井川 るみ
○ 雫落つ枇杷の皮剥く君の手に 松山市 池田 尊之
○ ユーフォニュームの音伸びてゆく雲の峰 松山市 吉見香奈子
○ 亡き母の黒き帯留め羅の帯に 松山市 平田さつき
○ 病室に響く汽笛や秋の風 松山市 宮本 由美
○ 子に渡す最後の夏のユニフォーム 松山市 武田 眞澄
○ 下宿屋の暮らしに馴染み花は葉に 新居浜 永易まるみ
ジュニアの部 (県内の小・中学生)応募校44校 投句数1108句
(校名右の数字は学年)
高山 佳子 先生選
特 選
○ ペンギンも空飛びそうないわし雲 石井小六 山下 貴大
(評) 陸を歩き、海を泳ぐペンギンが、空を飛んだのだから
びっくり仰天。いわし雲から独創的な句ができました。
優 秀
○ 父の日に見せたい一本せおい投げ たちばな小四 吉岡 七海
○ お盆の日似た顔集まる祖母の家 小野中三 濱田 妃捺
○ 海わたるクラゲのじゅうたん日ぶり島 立間小四 河野 舜祐
佳 作
○ 三兄弟いっしょに入る初湯かな 神郷小五 池本 直聡
○ 夏ふじをまどから見たよ空の旅 宮前小五 和田 悠花
○ 秋高し両手ひろげて一輪車 桑原小四 荒木 智咲
○ なくせみがわたしに気がつきだまりこむ 道後小二 山岡 真優
○ いもうとのつたいあるきではるをまつ 伊台小二 堀内 理名
○ えき前のカットや出れば秋の風 久米小三 山下優莉音
○ 後転が初めてできた体育の日 椿小六 渡部 晃生
○ 一皿に乗らぬ長さの秋刀魚かな 椿小六 松本 翔吾
○ 手放せばやみにほたるの草書文字 双葉小五 松岡 知里
○ パレットで一色付け足す秋景色 立間小六 宮本 瑠里
○ あなだらけ葉っぱのあおむしかくれんぼ 篠山小三 山本 煌
○ うらめしや台風通過で旅中止 さくら小五 角川 宙聖
○ 暮れる空何を思うか終戦日 勝山中三 友近 凜音
○ かばんには水着と宿題祖母の家 垣生中三 小笠原 華
○ 星月夜泣いて笑った準優勝 保内中二 松本 京
池田 尊之 先生選
特 選
○ フリスビー当たって落ちる青時雨 拓南中一 清水 梨央
(評) フリスビーが濡れていた木に当たり水滴が飛び散った瞬間を切り
取っています。季語の青時雨が効いたみずみずしい感性の句。
優 秀
○ 夏雲にとうめいゴンドラとけていく 久米小三 松永菜々花
○ ぬけたはのすきまににストローしゃぼんだま 東雲小一 河村みなみ
○ しぼんでるきのうみていたあさがおが さくら小一 山本 響乙
佳 作
○ かにはっけんとちゅうでやめたこおりおに 八坂小二 池田 琴音
○ 山もりで二はいおかわりくりごはん
垣生小三 末元 瑛心
○ 秋風に入居者募集のはたゆれる 桑原小六 土屋 理帆
○ せみないたたんこぶできたひるやすみ 日浦小一 坂本竜太朗
○ 一歩ずつ声高くなるすいかわり たちばな小四 長岡 琴乃
○ 新幹線夕焼けめがけ走り出す 粟井小六 玉井 利玖
○ 帰り道いっしょにぬれるかたつむり 道後小二 村田 更紗
○ 台所西日をあびて母が立つ 湯築小四 坂本 陽歩
○ かわあそびあしだけつけたよたきのそば 伊台小一 久保 美佑
○ 場所をとりいつかいつかと待つ花火 石井東小四 近藤 美海
○ こおりおにあせびっしょりの中休み 平小三 尾﨑 大輝
○ いわし雲新品シューズと風をきる 石井小六 白石 健人
○ オムレツの頂に立つ鯉幟 船木小六 伴野悠之介
○ いとこ来てせんこう花火に光る顔 立間小三 清家 悠佑
○ バスを待つ私と君と夏の蝶 桑原中三 林 鮎美