第46回愛媛県教育会入選俳句

主催 愛媛県教育会俳句

協賛 愛媛県学校生活協同組合連合会 

(募集期間)平成30年8月17日(金)~10月3日(水)

~~入選句は、「文教月報12月号」に掲載しています~~

 

一般の部 (県内在住の成人)投句者45名 投句数73句 

近藤 良郷 先生選

特 選

○ もう逢へぬ人を恋する秋仏間     八幡浜 谷本 澄子

(評) 「逢へぬ人」とは、死別して冥土と現世に別れ住む人であろう。秋の寂しみは日本の伝統的季節感。恋しさに仏間に来た。

優 秀

○ 泣き声も乗せて四月の園児バス     新居浜 中原 佳子

○ 薄氷を囲み友待つ登校班        新居浜 藤田 幾代

佳 作

○ 棚田暮れくもの巣空に残りけり     西条  高橋  和

○ 眼科待合そこだけ明るき寒椿      松山市 北岡 典子

○ 夕焼や妻と歩きし道を行く       今治・越智 金子 敏雄

○ 祖父の書の曝書に狭き長廊下      西条  渡部 喜生

○ 一輪の椿に和む茶席かな        四国中央 高橋八重子

○ 愛犬の水飲む音や涼新た        松山市 中路 信弥

○ 盆帰省正座で祖父と話す子ら      松山市 八塚  伝

○ 回覧板暑いですねが挨拶に       松山市 武中 晴紀

○ 空蝉の並ぶ次男の宝箱         松山市 中下 裕文

○ 一山を揺らす梵鐘草もみぢ      松山市 井上由美子

吉田  晃先生選

特 選

○ 今年また今年限りと稲架を組む    松山市 井上由美子

(評)静かな調子の中に、長年営んできた米作りへの捨て難い思いを強く感じる。きっと来年もそう思いながら稲架を組んでいることだろう。今年限りと思うその気持ちが作者の生きがいになっているのだと想像する。

優 秀

○ 眼科待合そこだけ明るき寒椿      松山市 北岡 典子

○ 愛犬の水飲む音や涼新た        松山市 中路 信弥

 

佳 作

 崩落の白き山肌夕焼ける       宇和島 池田多津子

 復興の槌音色づく青蜜柑        宇和島 池田多津子

○ 被災地の殊に激しき蝉時雨        今治・越智 金子 敏雄

○ 夕焼や妻と歩きし道を行く        今治・越智 金子 敏雄

○ 祖父の書の曝書に狭き長廊下       西条  渡部 喜生

○ 泣き声も乗せて四月の園児バス      新居浜 中原 佳子

○ 寒月や添ひ寝の妻の子守唄        松山市 山田 耕二

○ 水遊び娘と競うわに歩き       松山市 松岡真理子         

○ 振りかぶる最後の白球晩夏光     松山市 山崎 香苗

○ 空蝉の並ぶ次男の宝箱          松山市 中下 裕文

ジュニアの部 (県内の小・中学生)応募校45校 投句数1371句

                     (校名右の数字は学年)

高山 佳子 先生選

特 選

 鯉のぼり渋滞見下ろし泳いでる     雄郡小4 山下 貴大

(評) 空では悠々と風に泳ぐ鯉のぼり。地上では動きたくても動けない人

  間たち。ゴールデンウイークの風景や心情が浮かんできます。

優 秀

 プチトマトいとこの2さいがつまみぐい   椿小2    長野 愛夏

 ぱっつんとまえがみきったなつのかぜ    篠山小1  中平和日子

 南風追い越せるまで片思い        松山東中2 西山 碧璃

佳 作

 うきわからスルッとぬけて海の中     素鵞小3  林田 華音

  秋の夜まくらもとには好きな本      桑原小6   宮内 彩羽

  学校のまんまるつつじこいピンク     松山垣生小5  濱田 聖晶

  ライト消しそーっとのぞくホタル川    松山久米小5  太田 結梨

  入道雲三両編成追いかける         たちばな小5 戸田 悠惺

  ホットケーキ上手にやけた夏休み     椿小3     田水  煉

  お母さん「だめ」しか言わない夏休み   さくら小4   山内 柚葉  

  準優勝平成最後の運動会          福音小5    石丸 一葉

  どこまでもこえていけるさかたつむり    粟井小6    河野 雅義

  あかとんぼうんどうかいのおきゃくさま   北吉井小1  中村 維吹

  身にまとう夕日のドレス神南山       平小5     松木 瑞姫

  クライミングみんな登った秋の空     千丈小5   河野 由奈

  審査中あじさいの花コンテスト       立間小6    藥師寺晃久

  フリースロー外して散った夏の夢      久米中3    石山遼太郎

  ベランダで一人ながめる花火かな     桑原中1    伊藤  楓

 

池田 尊之 先生選

特 選

 彼岸花土砂くずれの横顔を出す      立間小4  藥師寺加奈

(評)  豪雨による被害に負けないでと彼岸花が土砂から顔を出してくれ

たのでしょう。生命力を感じさせる句です。

優 秀

 青嵐すぶり百回まめ一つ        小田小4  三浦 大弥

  通信簿夕凪時に開く母         久米中1   大山さくら

  沈黙の父と二人の夏の夜        桑原中1  山田 柑奈

佳 作

 あかだまがどんどんはいるようろこぐも 八坂小1   柴田 夏芭

  あおうめをとったみんなのはがひかる   長月小1  緒方梨衣沙

  ないていたししまいみてもいまへいき  桑原小1   林田 唯杏

  かざぐるまたかいところにかぜ見つけ  松山垣生小2 吉岡 航大

  さくさくの手づくりクッキー母の日に  松蔭小2   大西 海斗

  ふとももを上げてこうしん秋の朝    篠山小2  岡崎 心愛

  ひまわりが電車のせんろつつみこむ   雄郡小3  樋口万悠香

  そ父がとりそ母がつくったアユごはん  石井小4  栗原 瑛士

  かくれんぼおにに雨つぶ梅雨に入る   浮穴小5  池岡 稜桜

  サンダルをぬいで海まで一直線     さくら小6 大津 綾乃

  日焼けして出張先から父帰る      浮穴小6  稲荷 千依

  かぶと虫転ぶたんびに手で起こし    伊台小6  武田 修輔     

  大きさを祖父母と競ふ栗ひろい      中萩小6  宮田 彩織

  歩きだせ魂やどった雪だるま      松山東中2 新野 正瑛

  渾身のシュートとともに夏きたる    垣生中2  日野 主義