平成26年度 情報9 「足腰が丈夫な人もご注意!」

                         (11月5日 NHK ゆうどき)

NHK番組で「足腰が丈夫な人もご注意!」のタイトルで報道していました。概要は「元気な人でもつまずいて転ぶのでご用心」と言うことで、その状態を、「 デュアル タスク能力の低下(二つのことを同時に行う能力の低下) 」によるものであると説明しました。**dual=2重の、task=作業、仕事、 情報提供者 筑波大学 山田 実 准教授** 

  デュアル タスクの例 

1 水の入ったコップを持って歩く  2 料理をしながらテレビを視る

  デュアル タスク能力の低下の例

1 電話のベルで急ぎ、つまずき転倒した。*電話で容量がいっぱい

  2 物を探していて、つまずき転倒した。*探すことで容量がいっぱい

実生活の中では、いくつもの課題が同時に課されているような環境下で過ごしています。目立ちにくい障害物を乗り越えるとか、物を持ちながら何回も方向転換をするとかする場合です。デュアル タスク能力が若干でも衰えてくると、軽微な段差につまずき転んだり、物を踏んでしまい滑って転んだりすることがあります。

この デュアル タスクは、40歳代、50歳代でも劣ってきていると思われています。

1 デュアル タスク能力のチェック法(転倒危険度チェック)

    1回目 10mを普段通りに歩き、その秒数を計る。

    2回目 同じ距離を、100から1ずつ減らして数えながら歩き、その秒数を計る。

    秒数の差を調べる。

    1回目の秒数に比べ2回目の秒数の増加があれば、その増加率を計算する。

    増加率が10%代は黄色信号、20%代以上は赤信号です。

2 トレーニング

    椅子に座る→足踏みをする→足踏みしながら身体の4部位をさわる。

*右肩を1、左肩を2、右脇腹を3、左脇腹を4とする。

足ふみをトントン、1,3の声でその部位を手で軽くたたく。10分程度続ける。

    椅子に座る→できるだけ早く両手で交互に膝を打つ→5秒間程度、膝を打ちながら(カ)の付く言葉をできるだけたくさん言う。

    椅子に座る→足踏みをする→5秒間程度、足踏みしながら(キ)のつく言葉をできるだけたくさん言う。

     数人で手をつなぎ内側を向いて円を作る。→手を放して立つ。「前」「後ろ」「右」「左」の指示を出す。その指示の反対に動く。

*指示「まーえ」、円の人「うーしろ」と言って後方に1歩下がる。指示「みーぎ」、円の人「ひーだり」と言い、左に1歩動く。ニコニコ笑いながら楽しく動く。

3 このトレーニングを半年間した人は、筋肉トレーニングだけした人と比べると、転倒した人が半分以下になりました。

 最も大事なことは、過度なデュアル タスク状態を作らないことです。